前回から、豊かな消費社会を実現していく上での解決編をお話しておりますが、
今回は、前回は短期的な施策をご紹介したのに対して、もっと重要な、中長期的な施策についてお話していきます。
まず、問題の状況というのは、需要が枯渇しているということでした。
需要が枯渇してるということは、もう少し詳しくお話しすると
消費する人のところに、お金が行き渡っていないということです。
この”消費する人のところに、お金が行き渡っていない”ということは、
どういうことなのか?
お金の全体量が少ないの?
それとも、お金が偏在しているだけなの?
ということですが、結論から申し上げると後者が正しいわけです。
こうなってしまったのには、2つの要因があります。
ひとつには以前にもご紹介したとおり、新自由主義が行き過ぎてしまったということです。
つまり、レーガン、サッチャー以来、日本をはじめとする世界の先進国が推し進めてきた新自由主義は、物の供給サイドの能力を上げるということでした。
需要サイドの能力を上げるということは、投資家を優遇するということです。
その結果、物を消費するべく庶民にはお金がいきわたらず、端的に言えば投資家たち即ちお金持ちに、お金が集中するようになってしまいました。
お金持ちは自分で使いきれないお金は投資します。
投資したお金は基本的には、企業にいきますから、結局、個人消費にはつながりません。
もうひとつは、世代間での富の分配がうまくいっていないということです。
現在、日本の金融資産の75%は、60歳以上の人口に偏在しています。
そして、その金融資産の半分は預貯金です。預貯金は基本的に企業に行きますから、これまた、消費にはつながりません。
ちなみに、老人が亡くなるとき、一人当たり3500万ほど残していくという統計があるようです。
消費等観点で見た場合、これほど非効率がことはないんじゃないかと思います。
これも、政治の役割である、「安心」を提供できなかったのが原因かもしれません。
そういった意味で、消費不振の責任は多分に政治にあるといえるかも知れませんね。
こうして、お金持ちと高齢者に富が集中してしまった結果が、現在日本の消費不振の構造をもたらしているといえます。
では、どうすれば、豊かな消費社会を構築できるかということですが、この消費不振の構造を変えていくというのが、本質的な解決策ということになります。
で、如何にしてこの構造をかえていくか、ということですが。
1.相続税100%
以前相続税100%にするというお話をしました。
http://sisousei.blog33.fc2.com/blog-entry-77.html こうすると、お金使うと思うんです。なんせ、高齢者たちはお金持ちですから、
この政策、消費に関してはかなりのインパクトをもつのではないかと思われます。
さらに、この高齢者が消費するということは、高齢者から若者への所得移転
という側面があるのも、この施策が理にかなっているところ。
2.低・中産階級減税
これは、まさしく需要サイドの能力を上げてやるための施策。
3.法人税UP
これは、これまでの行き過ぎた新自由主義を是正するため施策。
4.社会保障の拡充
これは、安心しないとお金はつかえません、ということ。
5.少子化対策
消費する人=若者の絶対数を増やします。また、恋愛・結婚・出産・子育て
というのは、消費という側面で考えた場合、巨大な影響力があります。
6.ワークライフバランスの確保
消費するには、お金があるだけではいけません。時間が絶対に必要です。
特に豊かな消費ということは、別名、こだわりの消費ですから、
絶対的に時間が必要になってきます。
7.社会インフラの整備
消費をしたくても、インフラが整備されていないため消費に結びついていないようなところ、
例えば、高速道路。これを、整備してやります。
また、こうして財政出動してやることにより、雇用を確保します。
まあ、割と当たり前の政策ではありますが、日本には1500兆の金融資産があるわけで、これが動けば、かなりのことができるのではないかと、本気で期待しているわけなんです。
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