オバマ大統領で世界がよくなるのではないか、と。
僕は、本気でそう考えているのです。
ダウ平均株価は、上げ基調ですが、
これも、オバマの経済政策が好感されているからと見られているようです。
オバマの経済政策に、低所得者向けの減税というのがあります。
具体的には、年収25万ドル以上の層は課税強化し、
それ以下の層には減税をするというものです。
これが何を意味するかというと、
金持ちから貧乏人への所得の移転
が経済界においても好感されている
ということです。
なぜ、金持ちから貧乏人への所得の移転が
経済的によいことなのでしょうか?
レーガン以来のアメリカは新自由主義
すなわち、規制緩和&小さな政府
できました。
規制緩和&小さな政府とは、
市場原理主義に忠実な政府であります。
市場原理主義というのは、
市場に対して、各自各々が自由に、
資金を投入し、利己的に振舞うことで、効率的に資金が分配され
経済が発展するという考え方で、
資本が効率的に使えるということでは、
優れた面もあるのですが、
困った点もあります。
それは、貧富の差が広がってしまうということです。
市場原理をそのままにしておくと、どうしても
格差が広がっていきます。
通常は格差を縮めるために政府が高額所得者から税金を取って
低所得者に所得を移転します。
ところが、小さな政府は、この所得移転を極力しないので
貧富の差が広がっていってしまうというわけです。
貧富の差が何で悪いかというと、
それは、道義的にも悪いですが、
何より、経済にとって悪いことだからです。
それは、次の式をみていただけると、
よくわかると思います。
名目GDP=消費+投資+政府支出+(財貨・サービスの輸出-輸入)
金持ちは、消費もするのですが使い切れないお金は
投資にまわします。
投資にまわすと、企業は設備投資にお金を使います。
そうすると、物の供給が増えます。
ところが、貧富の差が大きく庶民に十分な購買力が
ないとすると、供給過多になってしまい、
企業は十分成長できないわけです。
さらに、政府支出も小さいとなれば、
付加価値の総計である名目GDPは小さくならざるを得ません。
こうして、新自由主義は立ち行かなくなってしまったのです。
では、どうするのか?
ここで、オバマの低所得者減税が登場するわけです。
まず、低所得者減税を行うことにより、
低所得者の所得を増やしてやります。
さらに、高所得者から税金を取って低所得者へ
所得移転を行います。
これにより、低所得者にとっては2重の所得増加策を実施される
ことになります。
こうして、獲得した低所得者の購買力による
消費を中心に経済を牽引していこうということです。
新自由主義が、供給側の能力を上げてやることで、
経済を牽引しようとしたのに対して、
オバマの政策が、需要側の能力をあげることに
注力しているのが大きな違いです。
僕は、この違いが、北風と太陽の違いに
見えてきます。当然、新自由主義が北風で
太陽がオバマです。
資本家が資本の力に物を言わせて、買え買えと
びゅーびゅー強風を吹かせるのに対し、
オバマの政策は、あたたかな太陽が
微笑んでいるイメージ。
これによって、経済がよくなるなら
本当にパッピーだと思うんです。
だって、これは貧困層が豊かになることによって
経済発展がもたらされることになるのだから。
このサイクルがまわりつづけ、
フロンティア=貧困層が次々と豊かになっていくような
そんな世の中になると、とってもいいなぁ、と。
こう考えていくと、資本主義ってのも
悪くないと思ってしまったりするのです。
さて、このオバマの低所得者減税ですが、
バラマキではないか、という批判があるかと思います。
一面では正しいと思います。が、僕はバラマキ=悪というようには
考えていません。バラマキ=悪と考えているのなら、それは
新自由主義に洗脳されているのかもしれません。
僕は、むしろ適切な箇所にバラマキを行うのが正しいのだと思っています。
折りしも、日本の政治も、バラマキの民主党に政権交代が
おきそうな気配が漂っています。
世界の経済大国の1位、2位の両国がそろって、
正しいバラマキをやってくれたら、
世界はもう少し暖かなところになるかもしれないな、と
そう密かに期待しているわけです。
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